
家庭紙向けの古紙である模造・ケントが新聞古紙の価格と同じになったり、色上が雑誌より安くなるということは過去にはなかった。今回の価格体系は前代未聞である。90年代後半から2000年代前半にかけて主要三品のメーカーへの売価が一桁価格に転落した時、雑誌が5円前後とすれば色上は7円~8円だった。いずれも工場着値。今回、古紙もの家庭紙メーカーはこれまでの価値観を壊した。新しい価値観を創造する覚悟があるのかどうか。
▼この状況に至った背景を考えると①オフィス古紙、機密書類、難処理系古紙など、多様な古紙利用をすることで模造・ケント、色上の産業系古紙の消費が減った②洋紙のDIP設備増による産業系古紙の消費増という内憂が、リーマンショックのあと洋紙の内需の大幅なシュリンクで消えた③外患であった雑誌の輸出価格が大きく下落した④東日本大震災で復興需要から製品価格が上昇したが、その後の価格修正はことごとく不発に終わっており、原料にコスト転嫁せざるを得なくなったーなど。
▼価格が安くなれば新たなニーズが生まれるとみたい。かって国内洋紙が産業系古紙を積極利用し、再生紙の需要拡大の引き金となった。今回の新たなニーズはアジア輸出市場で生まれる?
まだデータがありません。
2018年12月10日
コラム「虎視」
ここ数年、明らかに新規の古紙ヤードの開設が減少した。古紙価格が史上最高値を更新しているにも関わらずである。その[...]
2018年12月10日
書評
ニューヨーク在住のエコノミストで、ニューズウィーク等のライターを務めたマルク・レビンソンが2007年に出版した[...]
2018年12月03日
コラム「虎視」
去る11月20日、東京で日中古紙セミナーが催された。約80名の製紙・古紙関係者を招聘し、中国の最新動向に関する[...]
2018年11月26日
コラム「虎視」
11月上旬と中旬に2回、中国を訪問した。11月上旬は、浙江省の山鷹紙業・嘉興工場を訪問後、福建省の廈門で行われ[...]