▼2002年以降、日本の古紙需給ギャップは、中国の脅威的な製紙産業の成長によって解消された。90年代から各自治体がごみ減量・リサイクル推進に取り組んだことで、古紙は必要以上に集まり、問屋は余剰問題に悩まされた。最も厳しかった時には、雑誌古紙は0円以下の逆有償価格となった。各問屋はメーカー詣でを繰り返すが、「タダでもいらない」と断られることも多かったという。
▼全原連の栗原理事長は、以前から「余剰時の対策」を掲げてきた。仮に一ヵ月でも、何らかの原因で古紙輸出がストップすれば、30~40万トンの古紙がたちまち溢れてしまう。非常時に備えて置き場の拡充を進めると共に、日本品の優位性を保つために、業界が一丸となって各優良性評価事業に取り組んできた。
▼しかし、その何らかの原因が現実化しつつある。需給の乱れではなく、戦争が起きた訳でもない。中国が進める環境政策のナショナルソードにより、古紙や再生資源の輸入を前倒しでストップし始めたからである。「欲しいのに買えない」「割高でキロ45円の中国の国内古紙を買わざるを得ない」という中国メーカーの声が聞こえる。他国ではあり得ない事態が起こるのが中国。カントリーリスクの怖さを思い知らされる。
まだデータがありません。
2018年12月10日
コラム「虎視」
ここ数年、明らかに新規の古紙ヤードの開設が減少した。古紙価格が史上最高値を更新しているにも関わらずである。その[...]
2018年12月10日
書評
ニューヨーク在住のエコノミストで、ニューズウィーク等のライターを務めたマルク・レビンソンが2007年に出版した[...]
2018年12月03日
コラム「虎視」
去る11月20日、東京で日中古紙セミナーが催された。約80名の製紙・古紙関係者を招聘し、中国の最新動向に関する[...]
2018年11月26日
コラム「虎視」
11月上旬と中旬に2回、中国を訪問した。11月上旬は、浙江省の山鷹紙業・嘉興工場を訪問後、福建省の廈門で行われ[...]