
▼3期から4期連続で減益決算に陥っていた製紙上場大手だったが、09年3月期は増益に転じる見通しにある。原燃料価格の高騰が一服したうえ、紙・板紙製品の価格修正(値上げ)が進展したからだ。またコスト増の大きな要因となっていた原燃料価格の高騰は一服にとどまらず、ここにきて大きく値下がりしてきている。別項のように段ボール古紙の輸出価格が急落したことで、板紙は国内建値を下げるチャンスが巡ってきた。また為替もドル安円高に推移しているので、パルプ、チップなど海外に原料を依存している洋紙にとっても有利な局面になった。
▼唯一の不安要因は製品在庫の多さだろう。今年8月末のメーカー在庫は板紙はまずまずだが、洋紙は150万トンを超えている。過去15年間をみてもこれは最高の水準にある。このため二大製紙大手は大幅な減産に乗り出し、洋紙の市況維持に必死だ。それと再値上げ交渉に入っている新聞用紙の値上げの行方だろう。4月に28年ぶりにキロ5円値上がりしたが、今回は約15円という大幅アップ。今回の値上げが浸透するようだと洋紙の業績回復は本物になる。つまりV字型の回復も期待できるが、①一般洋紙の市況を維持できるか②新聞用紙の再値上げが浸透するかーだろう。
まだデータがありません。
2018年12月10日
コラム「虎視」
ここ数年、明らかに新規の古紙ヤードの開設が減少した。古紙価格が史上最高値を更新しているにも関わらずである。その[...]
2018年12月10日
書評
ニューヨーク在住のエコノミストで、ニューズウィーク等のライターを務めたマルク・レビンソンが2007年に出版した[...]
2018年12月03日
コラム「虎視」
去る11月20日、東京で日中古紙セミナーが催された。約80名の製紙・古紙関係者を招聘し、中国の最新動向に関する[...]
2018年11月26日
コラム「虎視」
11月上旬と中旬に2回、中国を訪問した。11月上旬は、浙江省の山鷹紙業・嘉興工場を訪問後、福建省の廈門で行われ[...]