過日、NPOが主催する「家庭用衛生紙に関する懇談会」を傍聴に行った。何せ歯に衣着せぬご婦人方である。男性社会特有の忖度はない。「店舗の目立つ棚に再生紙の製品がない!」、「(古紙ものは)硬いので、肌に優しいものを使いたい!」、「本当に再生紙なの?」といった具合で、同席したメーカーをたじろがせつつ、消費者の率直な声を聴かせてもらった。
▼トイレットの市場における再生紙品とパルプ品の構成品は65:36。最近では価格差が縮まり、輸入品も増えたことでパルプ品に押されている。パルプ品の新マシン増設が相次ぐことからも、今後も劣勢が予想されよう。あるアンケート調査によると、衛生用紙の7割は女性が買っていく。いかに女性から支持を得られるかが、売れ行きの生命線となっているのだ。
▼再生紙メーカーのトイレットロールは、8割強が流通企業のブランド名で売る委託品。自社ブランドで売る比率が小さく、硬いといったイメージを拭うCMも打ちづらい。「直接肌に触れるわりに、売り場で触れないものを買うのは勇気がいる」と切実な感想もあった。販売面でまだまだ工夫する余地はあろう。古紙を集めて終わりでなく、再生品を使うまでがリサイクルという機運を高めたい。
まだデータがありません。
2018年12月10日
コラム「虎視」
ここ数年、明らかに新規の古紙ヤードの開設が減少した。古紙価格が史上最高値を更新しているにも関わらずである。その[...]
2018年12月10日
書評
ニューヨーク在住のエコノミストで、ニューズウィーク等のライターを務めたマルク・レビンソンが2007年に出版した[...]
2018年12月03日
コラム「虎視」
去る11月20日、東京で日中古紙セミナーが催された。約80名の製紙・古紙関係者を招聘し、中国の最新動向に関する[...]
2018年11月26日
コラム「虎視」
11月上旬と中旬に2回、中国を訪問した。11月上旬は、浙江省の山鷹紙業・嘉興工場を訪問後、福建省の廈門で行われ[...]