▼製紙原料の6割が古紙で、 残りの4割がチップやパルプである。今回、古紙とチップ、パルプ価格の相関関係を調べてみた。古紙とパルプは世界的に貿易され、国際商品化しているので国際相場はかなり連動している。つまり古紙が高い時はパルプも高いといったように。しかし、チップ価格は別個の動きをしている。
▼というのも、製紙原料であるチップの七割を今、日本は輸入しているが、アジアで大量にチップを輸入して使用している国は日本以外にない。アジアの多くの製紙メーカーは古紙やパルプを購入して紙・板紙を生産している。チップは買い手が日本だけなので国際商品といいにくいというわけだ。また供給国の主役は10年前は米国、豪州、チリの3国だったが、現在は豪州を中心に、南アメリカ、チリ、米国、中国、タイなどと多様化している。
▼日本の製紙が将来、警戒しているのは、チップを中国が大量に輸入し、中国でのパルプ設備が増えることにある。買い手としては日本だけだった市場に、中国が参加してくると、チップ価格が慢性的に上昇するおそれがある。それでなくとも円に対して豪州ドルが強いので、豪州チップが近年、高止まりしている。円高(米ドルに対して強い)の恩恵にも乏しいわけだ。
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