
▼古紙の輸出価格が6月に入り一段と強くなってきた。4、5月に大きく下落したので、2、3月の水準まで戻るには今秋までかかるかと思われたが、あっさり記録を更新。主要港に近い古紙ヤードの場合、問屋手取りは新聞20円、段ボール18円、雑誌17円に限りなく近づきつつある。
▼日本の製紙産業は90年代を通じて円高(米ドルに対して)の恩恵に浴した。円高によって重油、チップ、古紙などの原燃料価格を安く購入できたからである。しかしここにきて円安が進んだうえに①原燃料価格の上昇②中国との古紙争奪戦ーなどによって様相が一変。90年代とは全く逆の経営環境にさらされている。
▼さらに塗工紙分野では今年から来年にかけて4社4台(合計の年産能力は約135万トン)の新マシンが稼働する。低成長下での設備増強だけに製品市況への悪影響が懸念されている。一方、段ボール原紙分野は昨年まで順調だったが、古紙価格の急騰で業績が急降下。レンゴーと日本製紙グループは業務提携の枠を超えて、両社(レンゴーと日本大昭和板紙)の合併話に進展することも囁かれ始めた。実現すると王子板紙を抜いて年産360万トンの板紙大手が誕生する。製紙業界は寡占化で中国との大競争に生き残りをかける。
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