【中国向け輸出価格】来年のライセンス発行で急落観測
25~30円の間で交渉決着か【国内向け段ボール】

 関東商組や中部商組といった業界団体が実施する12月積みの見積り・入札が見送りとなり、輸出市況は指標なき状態に陥っている。11月末、中国向けの輸出価格は、OCCが31円前後、ONPが35円前後、雑誌系(#10)が24円前後とされた(いずれも問屋店頭)。ただ12月に入り、ナインドラゴンの古紙調達商社であるACNが「今年のライセンス分を消化できる目途がたった」と調達先に伝えた。新規契約を凍結する形で、これまでの成約分のみ12月15日まで船積みしている。

 来年のライセンス発行時期は未定。来年分が発行されても、まず米国品の調達を優先するとみられ、調達量が絞られる日本品は大きな下落が予想される。米国のOCC(#12)が260ドル(=手取りキロ25円)、中国の国内OCCが今年最安値の1,900元(=工場着キロ30円)の水準からみて、日本品OCCが最低でもキロ5円程度下がっても不思議はない。

 国内製紙メーカーの調達価格は、品種間でやや異なる動きをみせる。新聞は需給のタイト感が続くため大きな下落には繋がらず、30円台前半で推移。段ボールは前月高騰し過ぎた分、メーカーが値戻しを探る展開となっている。11月は31~33円が付いたが、12月は25円~30円の間で決着するとみられる。雑誌は最安値で買っていたメーカー価格に近づき、18円~20円だろう。

 今月、王子HDは地域性を考慮しつつ、段ボールの発注量を最大で3割カット。年末年始の古紙の発生増やSD(操短)を見越し、在庫増を緩やかにコントロールしていく意図がある。

 一方、レンゴーは八潮工場の生産量が初の100万トン超えが確実視されており、増産体制が続くことや、今後の需給変動を見据え、備蓄機能を強化している。

 日本製紙は今年4月よりスタートした特種東海製紙との共同古紙調達の仕組みが進み、一定の成果をみせつつある。全量ではないものの、交錯輸送の解消によってコスト低減を実現。需給の軟化局面でも安定化に繋がることが期待される。

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